今年も行ってきました!
ヴァニラ画廊の『シリアルキラー展2019』。
「殺人ピエロ」ことジョン・ウェイン・ゲイシー、「月夜の狂人」エド・ゲイン、「カルトキング」チャールズ・マンソン、凶悪な女殺人鬼たち…
本展示では、凶悪な人物像や数々の犯罪が、小説や映画のモデルにもなった、欧米のシリアルキラー(連続殺人犯)たちの作品、セルフポートレート、資料等、あらゆるアイテムを蒐集するHN氏のコレクションを展示いたします。
目を背けたくなるような凶行を行った殺人者たちの描く世界は、まるで見るものの心の淵を覗きこむような凄み、寂寥感、無常感、そして得体の知れないものと対峙した時のような緊張感に溢れています。個々のバックグラウンドにより焦点を当てた展示構成で、日本では殆ど目にすることのできない犯罪者たちの痕跡を展示する、貴重なコレクション展です。(引用はヴァニラ画廊公式サイトより)
今年で3年連続となります\(^o^)/
もはやマニアックじゃない!とにかく人で溢れかえる超人気展示会
「今年はもういいかなあ…」と思っていたのですが、やっぱり次こそじっくりゆっくり見たい!という気持ちが勝り、月曜日に休みをとって開館と同時に突撃してきました。
月曜開館すぐでもすでにしっかり人いる状態…。しかし最初の30分はまだ空いているスペースもあって、順不同で見て回れば展示物前でまじまじと鑑賞することができました。
あと今回の展示会では「※パンフレットに記載あります」という注意書きがあって、それ以外の展示物解説文を集中して読めました。
来場するとコレクションと解説文がたっぷり詰まった、これ貰えるだけで価値がある!レベルのパンフレットが付いてくるのですが、残念ながらそこにすべてのコレクションが載っているわけではありません。毎回ピックアップ形式でパンフ漏れしているシリアルキラーも多いので、とりあえず「※パンフレットに記載あります」の掲載はありがたかったです…!
去年までは当日会場で入場料を支払えばよかったのですが、今年は混雑回避のため土日・最終日は前売りチケット制になったそうです。
最も希少価値が高い品物は…エドワード・ゲインの聖書
エドワード・ゲインといえば、『羊たちの沈黙』や『サイコ』など数々の映画のシリアルキラーのモチーフになった有名すぎる人物。この手の話が詳しくなくても、有名なシリアルキラー、くらいには知っている人も多いかもしれません。
しかしゲインが人を殺したのはふたり(もしくは3人)と言われており、シリアルキラーの定義には当てはまらない…というのが実際のところ。ゲインは墓場から盗んだ数多くの遺体から衣服や食器、家具などを作って生活していたんです。
おびただしい数の“人間の加工品”でごみ屋敷同然の空間で過ごし、その狂気に満ちた生活からシリアルキラーのイメージが定着したんですね。
実は今回、ようやく見ることができた、これさえ見れたら満足だ、と思っていたのが、エド・ゲインの聖書。
所有者のHN氏が“コレクションの中で、最も希少価値が高い品物”と解説している展示物です。以前の展示会でも見ることはできたと思うのですが、その存在に気づいたのが帰宅後、パンフレットを読み直していたときのことだったんですよね。
ゲインの異常な人格形成に多大な影響を与えたとされる母親が熱心なキリスト教の信者で、聖書の内容が彼の精神に少なからず関わっているのはまず間違いないだろうと言われています。
母親にとっては宗教が絶対的であり、ゲインにとっては母親が絶対的な存在であり…。以前読んだエドワード・ゲインに関する書籍では、ごみ屋敷同然の家の中で唯一、すでに亡くなっている母親の部屋だけがキレイに保たれていた、という内容を思い出して、なんだか切ない気持ちになりました。
エドの聖書はひっそりとした場所に展示
さて、エドワード・ゲインの聖書、一体どこにあるのだろう?と気をつけて探さないと高確率で見逃してしまいます…。
今回はA展示室の中央あたりにゲインのコレクションがあります。4段ほどのガラス張りの棚の一番下、しゃがみこまないとじっくりと見られないような場所にゲインの聖書はありました。
わたしの視線の高さにある上段には、“ゲイシー愛用のポルノ雑誌”が数冊展示されています。ついそっちに目を奪われてしまうのですが、なんと足元のほうにひっそりと聖書が展示されているではありませんか!
人が多くなると状況によっては見るのが難しい位置なので、ぜひ早めに来館してくださいね!
毎回発見と残る印象が変わるシリアルキラー展
シリアルキラー展は毎回発見があるし、見終わった後、残っている印象が変わる、なんとも不気味で、不思議な展示会です。
今回はエドワード・ゲインについて詳しく紹介しましたが、以前の感想記事でも取り上げた“人肉ハンバーガーショップ”ことジョー・ロイ・メセニーのコレクションでも、思わぬ発見がありました。
彼の描くコミックキャラクターのようなイラストには、どの紙にも茶色いシミがついていて、よくよく解説文を読んでみると、“自らの血判”とのこと…。ただの汚れと思っているうちは何とも思わなかったけど、より不穏さを感じるようになりました。
あとは今回、バディものや女性シリアルキラーについてのコレクションが印象深く残っています。殺人鬼同士はお互いにしか理解し合えない、深い絆のようなもので結ばれている、と勝手に妄想してしまいがちですが、最終的に相棒を売って終身刑を逃れたり、他に乗り換えたり…やっぱり自分本位な生き方をしているシリアルキラーが多いように感じました。
B展示室には女性シリアルキラーにまつわるコレクションが多かったのですが、ある女性殺人鬼は共犯の旦那に罪をなすりつけようとしたり、またある女性殺人鬼は捕まった後に旦那から愛の手紙を受け取り「これで安心して死ねる」と満足していたり、男性といろんな繋がり方があるんだなあ…と。
きっと来年もまた、開催されると知った時には足を運んでしまうのだろうと思います。
ぜひこの機会をお見逃しなく!!
【詳細情報】
シリアルキラー展 2019
期間:2019年6月18日(月)~7月11日(木)※会期中無休
開館時間:
・平日土日12:00~19:00(最終受付18:30まで)
・最終日(7/11のみ)12:00~17:00(最終受付16:30)
入場料:2,000円(展示会パンフレット付/再編集Ver.)
詳しくは公式サイトよりどうぞ⇒ヴァニラ画廊